新築住宅購入の流れ 資金計画~引き渡しまで

更新2023.12.11


物件探しから引渡しまでの流れをご説明いたします。

新築一戸建て(完成物件)の購入にあたっては申込みから引き渡しまでスムーズに進んでも

約1ヶ月程度の日数が必要となります。

手続きの中で平日に動いていただく必要が、1~2回あります。

 

1.資金計画

2.物件探し

3.現地見学・内覧

4.購入申し込み(買付け証明書)

5.住宅ローン(事前審査)

6.重要事項説明

7.不動産売買契約(ローン解除特約)

8.住宅ローン本申込(本審査)

9.建物表示登記申請

10.住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)

11.現地立会い(物件の最終確認)

12.残金決済(引渡し)

13.お引越し・入居

14.まとめ

 

1.資金計画

まず最初にするのは資金計画です。預金がいくらか、年収・職歴はどれくらいか、そうした事からどれくらいの

ローンが組めるのかを把握しましょう。

年収の7倍前後くらいまでなら借りられると言われますが、それくらいを限度としてあとは月々の返済金額が

どれくらいなら無理なく支払っていけるのかを考えてみましょう。

そうすると自然に予算が決まってきます。

普段倹約してでもより高額のものを買うのか、後々の事を考えて無理のない予算を組むのか人それぞれの考え方次第です。

そうして決めた予算が出発点となります。途中紆余曲折を経て予算が変わることもありますがそもそも買えない物件を

探し求めても仕方ありませんので、本当なら初期段階で資金計画についての相談をしておいた方が無難です。

物件について新築にするのか中古にするのか、エリアの候補を選びます。あるエリアだと中古の戸建てしか無理でも

違うエリアでは新築一戸建てが買えるな・・・というように予算に合わせて物件を選んでいくわけです。

 

2.物件探し

予算を基づき物件を探します。それと平行してわからない事がある度にその都度調べてみましょう!

今の時代はまずインターネットで物件を探し始める人が増えました。

いきなり不動産屋に足を運ぶのは気が引ける、グイグイ来られたらどうしよう?など不安な方もいらっしゃるでしょう。

まずはご自宅のPCやスマートフォンで気になるエリアの物件を探して見ましょう!

 

3.現地見学・内覧

探した情報の中で気になる物件があったら積極的に現地見学に行きましょう。

物件情報だけではわからない建物の具体的な状態や、周辺のさまざまな環境を知るには、現地を見学するのが一番です。

現地で物件をご覧になるときは、情報通りかどうかということを確認しましょう。

さらに汚れなどの状態や、日当たり、風通しなど図面ではわからないことをよく確認します。

また、家族それぞれの立場からチェックすることも重要です。

 

物件の主なチェックポイント

・敷地状況

・内装・外装の材質、汚れ、ひびなどの状態

・部屋数、間取りごとの使いやすさ

・各部屋の向き、日当たり、風通し

・車庫・駐車場、駐輪場

・冷暖房設備設置状況

・収納スペースの状況など

 

買おうかどうか考えている物件については、土日だけではなく平日にも足を運んでみましょう。

また、晴れの日だけでなく、雨の日にも行ってみみると、水はけなど貴重な情報が得られます。

また、日中と夜とで印象がかなり違う事もあります。

日や天気、時間を変えてその周辺の状況を確認します。

内覧についても一度でわからなかった事をもう一回確認する方も結構おられます。

周辺環境のチェックはとても重要です。最寄りの駅への所要時間、学校・公園・病院・商店街など

の施設状況は必ず確認しておきたいもの。

また平日と日曜とでは、道路の混みぐあいや騒音などの状況が大きく変わる場合もありますので

注意しましょう。

 

周辺環境の主なチェックポイント

・交通機関の状況(駅までの所要時間、始発・最終時間、混雑状況など)

・周辺道路の状況(交通量、混雑状況など)

・教育施設(学校、学区など)

・公共施設(病院・公園・図書館など)

・その他の周辺施設(商店街、スーパー、コンビニ、飲食店など)

・その他の環境(騒音など)

 

4.購入申込(買付け証明書)

ご購入希望の物件が決まったら購入を申し込みます。

この時、記載する書類を「買付け証明書」と呼びます。

記載内容は契約日、代金の支払方法、物件の引渡し時期など契約のための条件です。

その書類の提出によって契約へと進み始めます。

この証明書自体には拘束力はありませんが、一旦書いたものをあっさり引っ込める事のないよう

慎重にご検討してください。

契約するまでは撤回可能ですが、その間売主さんも物件をストップしてくれたり便宜を図ってくれますので、

軽い気持ちで申し込み「やっぱやめた~」では相手に対しても失礼にあたります。

あせらなくていいですので、気持ちを固めてそれから申し込みをしましょう!

 

※価格交渉をした場合

申し込みと同時に販売金額に対して値引き交渉を行うことがあります。

予算が足りず例えばあと100万円下げてくれれば購入できるというような場合です。

この場合売主にとっては不利な申込であることは確かです。

こうした時「申し込みは受けましたが物件は止めません」と言われることがあります。

この場合実際に契約するまでの間に「満額」での申し込みがあればそちらが優先されるかもしれません。

ここら辺はどうなるかはケースバイケースです。

交渉事ですから、相互の事情によって首尾よく値引きを受けてくれ無事契約できることもありますが、

残念ながら契約に至らないこともあります。

 

※購入希望者様の状況

申し込みの際に住宅ローンの審査が通るかどうか微妙な場合には申し込みをしても物件は止まらないことがあります。

急ぎ金融機関による事前審査を受け、状況を整える必要が出てくることもあります。

 

5.住宅ローン(事前審査)

民間の金融機関で融資を受ける場合に最初に受ける審査です。結果は3日もあれば大抵出ます。

この審査に通らないのは主に個人信用情報に問題がある場合などです。

過去の滞納や債務整理などの事情があるとはねられます。

この事前審査に通れば民間の金融機関ではかなりの確率で本審査も通りますが、フラット35ではそれほど信用できません。

申し込みをしてもそのままでは物件が止まりません。申し込みをしたら即座に事前審査を受けるのが通例です。

あるいは物件が定まる場合に予め事前審査をしておきます。

契約前には事前審査が終わっている事がほとんどです。

事前審査に通ってる人ならば売主さんとしても「購入できる申込人」とみなせるからです。

売主さんとしてもローン解約されるのが一番嫌ですから(物件を止めて半月前後も販売機会が失われるわけですから)

申込者の属性はとても気になるところなのです。

言い方は悪いですが「ローンの審査に通りそうもない人からの申し込みは申し込みのうちに入らない」というような

受取り方とでもいいましょうか・・・。ですから、私たち仲介業者としてはしっかりと物件を止めて、お客様がご希望の

物件を購入できるように、迅速に事前審査手続きを済ませ、事前審査が通った旨を一日も早く売主側に伝えます。

そうすると売主さん側としても契約に向けて本気になってくれます。

例外としては、職業、勤務先、年収等の属性と過去の借入れなどがないなどの信用情報からあきらかに住宅ローンが

通ると思われる方については売主さんも事前審査の結果いかんを問わず、話を先に進めてくれます。

 

※フラット35では事前審査に通っても本審査で不承認となる事があります。

そのため売主さん側としてもフラット35の事前審査だと物件を止めない事があります。

ではフラット35だと物件は止まらないのかと言うと、売主さんサイドで指定する金融機関で審査を受けた時には

大丈夫という事もあります。

 

事前審査のお申し込みには、以下のものが必要です。

・印鑑(認印)

・収入証明書

・健康保険証

・運転免許証

・物件の図面等

※ 物件や個人の属性、金融機関によって異なります。

 

6.重要事項説明

事前審査が無事に承認となれば、売買契約となりますが、その前に不動産会社の宅地建物取引士から、

物件に対する重要事項の説明を受けます。

登記簿上の権利関係、物件の概要(隣の敷地との関係等)、代金授受の方法、万が一の契約解除の際の

規定などが記載されています。

大変重要な内容なので相互の権利保護のためにもしっかりと聞いてください。

わからない部分についてはその場で確認するようにしましょう。

彩建ホームでは分かりやすく時間をかけてご説明します。

 

7.不動産売買契約(ローン解除特約)

不動産売買契約は、「不動産売買契約書」を用いて締結されます。

売買契約書は、取引内容や当事者の権利・義務などを明らかにし、安全・確実な売買の成立を目的とするものです。

義務に違反すると違約金の支払いが必要になる場合もありますので、不明な点は必ず仲介業者に確認しましょう。

売主・買主の双方が署名・押印し、買主が手付金を支払って契約が成立します。

この時点で売主に手付金を支払います。

不動産売買契約を締結したら、以後は契約書の記載内容に基づいて権利や義務を履行することになります。

しっかりと内容を確認するようにしましょう。

ローン解除特約と言うのは「ローンの審査が通らなかった場合には違約金なしで契約を白紙撤回できる」

という購入者保護の特約です。だいたい、2週間くらいの期間しか設けませんので、契約後は急ぎ本審査へと進んで行きます。

契約後のスケジュールは結構タイトです。

 

不動産売買契約を結ぶときは、以下のものが必要です。

・印鑑(ローンご利用の場合は実印)

・手付金(現金)

・印紙代(売買金額によって異なります)

・身分証明書(運転免許証、パスポート、保険証)

 

8.住宅ローン本申込(本審査)

売買契約を結んだら、次は住宅ローンの本申込になります。

各金融機関所定の申込書に必要事項を記入します。

事前審査で記入したことと重複する箇所があって大変面倒ではありますが、きっちりと記入するようにしましょう。

本申込みから正式融資承認まで1週間から10日程度かかります。

事前審査は仮審査ですので、ここで正式な融資承認を取得します。

ローン解除特約の期間内にここまでたどり着く事が必要です。審査に通らなかったり、審査には通っても減額されて

承認されたような場合には他の金融機関にて事前審査からやり直さなければなりません。

そういった場合にはローン解除の期間延長の話をまとめなければなりません。

 

住宅ローンのお申し込みには、以下のものが必要です。

・収入証明書

・実印と印鑑証明

・住民票

・課税証明書

・重要事項説明書

・不動産売買契約書の写し

・住宅ローン申込書類一式(金融機関ごとに異なります)

 

9.建物表示登記申請

新築一戸建てでは建物の登記はまったくされておりません。

権利の登記の前提として表示の登記を申請します。

住宅ローンを利用する場合に、銀行は不動産を担保にしてお金を貸してくれます。

しかし、新築の建物はまだ登記がされていないため住宅ローンの担保にしたくても出来ません。

その為に、まず建物の表示登記が必要になります。

新築一戸建ての場合(建売住宅含む)お客様名義にて建物の表示登記(表題部の登記)を作成します。

とはいえ、お客様で難しい作業をする必要はありません。

お客様には委任状などに記名押印していただき、その書類を家屋調査士にお渡しします。

建売住宅の場合、家屋調査士は売主指定となります。

 

10.住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)

建物表示登記が終わり、本申込の審査の承認が下りれば住宅ローンの契約となります。

住宅ローン契約とはお客様と銀行との融資契約です。

お借り入れ銀行にて銀行と契約をしていただきます。

各金融機関の所定の契約書を確認したら記名押印をします。

基本平日にこの住宅ローン契約を結びます。

金融機関によっては土日に対応してくれる所もあります。

 

11.現地立会い(物件の最終確認)

引渡し前に売主・買主・仲介業者にて立会いを行います。

物件お引渡し前の最終チェックとなります。

主な目的は建物の傷や汚れの確認、住宅設備の仕様に関するご説明、境界等の確認をします。

基本的には現況引渡しなのですが、床やクロスなどにキズがある場合には引渡しまでに補修してもらいます。

売主、買主、仲介業者で建物を一部屋一部屋見て周り、気づいた点を指摘していきます。

新築とは言え内覧等でかなりの人が出入りしていますので、案外キズなどがあるものです。

このタイミングを利用して、カーテンのサイズなど色々採寸されるお客様も多いです。

 

12.残金決済(引渡し)

融資の実行日です、通常は金融機関の店舗で行います。

売主、買主、仲介業者、司法書士の四者が集まります。

所有権の移転、抵当権設定登記の手続きを司法書士に委任するので委任状に記名押印します。

権利が移せることが司法書士により確認されれば、残代金の支払い・鍵渡しを行います。

各種書類と鍵の引渡しをもって物理的な引渡しです。

登記がされて始めて完全な引渡しとなるので、司法書士はただちに登記所に向い登記手続きを行います。

登記が完了するにはある程度の期間が必要です。

鍵を頂ければ買主様の所有となりますのでお引越しをして新たな生活のスタートです。

 

13.お引越し・入居

お引越しでは、学校への転校届をはじめ、電気・ガス・水道・電話等の各機関への移転手続き、

また、荷物の整理・梱包作業、粗大ゴミの処分、近所へのあいさつなど、やらなければならないことがあまりにも多くあります。

どこで何をしなければいかないか、誰に何をしなければいけないかなど、あらかじめ計画を立てて準備しておきましょう。

 

※すまい給付金対象者

すまい給付金等の対象となる方は申請をしていただきます。

 

※不動産取得税

不動産取得税の通知書が県税事務所から送付されます。

新築住宅の場合、軽減措置が受けられます。

 

※確定申告・住宅ローン控除

住宅のご購入に際して一定の条件のローンを組んで購入した場合、住宅ローン控除の申請ができます。

毎年の確定申告の時期に、初回の一回だけ確定申告を行ないます。

申告書の書き方は税務署で詳しく教えてくれます。

会社員の方の場合は、翌年以降は年末調整の手続きで住宅ローン控除の還付が受けられます。

制度は政策で変動しておりますので、最新情報に注意してください。

 

14.まとめ

いかがでしたでしょうか?

思ったよりやることが多いと感じた方もいるかもしれませんね。

しかも、実際に購入となると、申込から引き渡しまでは約1ヶ月です。

その1ヶ月の間に、役所に行って必要書類を用意したり会社に書類の申請をしたりしなければなりません。

契約が進んでから時間を作るのが難しくて書類を揃えるのに時間がかかるなんて事もあるかと思います。

必要な書類は取得日から3カ月以内は有効に活用できますので場合によっては、予め取得するのも良いかもしれません。

あれよあれよと進む契約に不信感を抱かないためにもしっかりと流れを理解し、準備をしておくようにしましょう。